としサバ
23話 ストップ安
 土曜日の朝、信彦はベッドの上で甘い夢を見ていた。

 
 信彦と、果穂、勝彦、沙穂の家族4人は、ハワイのワイキキの浜辺に寝そべっていた。
 
 妻と子供たちが信彦を賞賛し始めた。


 「あなたが家族をハワイに招待してくれるなんて、夢みたいだわ」


 「株で短期間にこんなに稼ぐなんて、お父さんは凄腕だな」


 「お父さんに株の才能があるなんて、知らなかったわ。夢のハワイに来れたのは、お父さんのお陰よ。折角だから、家族でフラダンスをしましょうよ」


 現地の褐色のダンサーをバックにして、家族4人は、フラダンスを踊り始めた。

 現地のダンサーの中に、なぜか顔見知りの人がいる。

 手にビッグサイズのアイスクリームを持っている。


 「榎本だ」

 「コレ、ベリー オイシイヨ」

 榎本は外人風に日本語を話すと、信彦に向かって、オーバーに投げキッスをした。

 それから、榎本はアイスクリームを食べながら、フラダンスを踊り出した。

 大きく腰を振り過ぎて、榎本のアイスクリームがポトンと下に落ちた。


 皆は一同に驚いた。


 そこで、信彦は目が覚めた。


 「可笑しな夢だな」


 信彦は目が覚めても、少しの間、布団の中でまどろんでいた。




 

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