としサバ
 そこへ、校長先生が割って入った。


 「吉岡君を冷やかすと言うのは、良くない事ですが、結婚式については余り目くじらを立てなくてもいいのじゃありませんか。あれは、芝居ですよ。学芸会の延長、あくまで子供たちのジョークですよ。それ位は、理解してやらんといかんのじゃないですか」

 「私も校長先生の意見に賛成です。あれは良く出来た芝居ですよ。そんなに騒がなくてもいいと思いますが」

 日頃から校長先生に胡麻をする吉川先生が、同じような意見を出した。

 「あれは二人を中傷するものです。花婿役の男子生徒が女性物のパンツをはき、花嫁役の女子生徒が顔に包帯を巻いているのは、なぜだかわかりますか。それは、二人を侮辱するためです」

 遠藤先生が声を荒げて言った。

 「私も慌てて女物のパンツを間違えてはいた者を、皆で寄って集って笑いものにするのは、いじめそのものだと思います。いま全国でいじめが問題になり、いじめによる自殺が後を絶ちません。もし、二人が自殺でもしたら、どうなるのですか。これは、早急に手を打たないといけない問題だと思いますよ」

 教頭先生が言葉に力を込めて語った。

 「教頭先生がおっしゃられたように、この問題で吉岡君は、登校拒否と自殺を実際に考えと、自分で告白しています。大きな問題に発展しない前に、いじめを行った7人、とりわけ女子生徒3人には断固とした処罰を与えるべきだと思います」


 遠藤先生が教頭先生に加勢をした。


 意見は二つに分かれていた。




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