としサバ
 「それで、注意したのか」
 「その通り。さすがお兄ちゃん、良くわかったわね」

 「雫らしいよ」
 「皆って、最低と思わない」

 「僕が雫のパンツをはき間違っても、やっぱり冷やかされるだろうな」

 「そんな恥ずかしい事、お兄ちゃんは絶対にしないでね。そんな事されたら、私死んじゃうから」

 「冗談だよ」


 (2歳年上の歩が自分のパンツを、もしもはき間違えたら)

 雫は、一瞬そんな事を想像した。


 (想像するだけでも耐えられない)


 雫は、慌ててそんな想像を打ち消した。

 「冷やかしたのは、男子生徒が4人と女子生徒が3人。私が注意をすると、男子生徒は冷やかすのを止めたわ。問題は女子生徒よ。どうしたと思う」

 「雫にキツク当たった。・・・かな」

 「そうよ。いい格好するなって言うのよ」
 「ふーん」

 「それだけじゃないのよ。私のスカートに手を入れ、パンツを取ろうとするの。私が彼に味方するものだから、私のパンツをはかせろだって」

 「へえ」

 「だから、先生に言い付けてやるって、言ってやったわ。そしたら、『覚えとき』だって。
捨てぜりふを残して、逃げて行ったわ。もう、無茶苦茶でしょう」

 「それは、ひどいな」

 歩が驚いた。





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