としサバ
26話 スカンク
 葵たち3人は公園のベンチに座り、足で砂の上に「ばか」という文字を何度も書いていた。

 自分たちの馬鹿さを書いているのか、雫たちに恨みを込めて書いているのか、その両方なのか、葵たちにも良くわからなかった。


 そこへ、男子生徒4人が現れた。
 山川が葵たちに近付きながら言った。


 「しけた顔してら。やっぱ、怒られたんか」
 「うん、ママまで呼びよんねん。ごっつ、絞られたわ」


 葵が答えた。


 「どない、怒られてん」
 「姉パンツ、いや吉岡君が撮った写真を見せながら、あいつが登校拒否や自殺まで考えていたと脅されてん。ママは顔真っ青になっとったわ」

 「あんな意気地なしが、死ぬ訳ないやろ。保の写真ってなんや」

 「あいつ、デジカメで写真を撮ってたんや」

 「写真は今野が携帯で撮ってたやんけ」
 「あいつ、隠れて、こそこそ撮ってたんやて」

 「畜生!汚い事、しゃあがって」

 「なんで、吉岡君がデジカメで写真を撮る必要があるん」


 みちるが口を挟んだ。



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