としサバ
 「ひど過ぎるわよ。私スカートの中に手を入れられた時、関西の人は怖いと思った」

 「・・・」

 「関西の人は何でもありよ。だから、怖いの。私、時々東京に帰りたくなる事があるわ。お兄ちゃんはないの」

 「僕は別に・・・」

 「お兄ちゃんは美味しい物の魅力に負けているだけ。ただの食いしん坊よ」

 「よく、言うよ」

 「私は東京に帰りたい。ああ、神様。早くパパを東京に転勤にさせて。そして、お兄ちゃんの食欲を減退させて。お願い」

 「勝手なこと言ってら。でも、雫こそ、その3人には注意した方がいいよ」

 「ええ」

 「スカートの中に手を入れるのだから、これから先何をするかわからないよ」

 「そうでしょ。私もそう思うの。やっぱりお兄ちゃんに相談してよかった。ありがとう」

 「これからも何かあったら、お兄様に相談しろよ」

 「はい、食いしん坊のお兄様」
 「コラッ」

 雫は逃げるように歩の部屋を出た。


 「3人には注意した方がいいよ。スカートの中に手を入れるのだから、これから先何をするかわからないよ」


 雫の耳には、いつまでも歩の言葉がこびり付いていた。

 (お兄ちゃんの言う通りだ)

 雫は、今まで以上に、宮崎葵、山下みちる、渡辺リンの3人には、注意を払う必要を感じた。そして、リーダー格の宮崎葵の意地悪そうな顔を思い浮かべた。




























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