としサバ
 「座らないか」

 「ありがとう。これ、深ちゃんが皆、用意をしてくれたの。感激ね」

 「女将はいつも和食かい」
 「そんな事はないよ。パンも頂くわ」


 パンをかじりながら、女将が言った。


 ピンポン、ピンポン。


 その時、チャイムが鳴った。

 信彦が玄関に出た。


 
 「あっ!」


 
 「お父さん、私よ」


 チャイムの主は、娘の沙穂だった。


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