としサバ
　「どんなお世話を受けているの。私、お父さんを信じていたのに、裏切るなんて、絶対に許せないわ」

　「女将とは、お前が思うような仲ではないんだ。なあ、女将」

　「はじめまして。道乃と申します。いつも深ちゃん、いや深見さんには、お世話になっています。私と深見さんとは、綺麗な仲です。娘さんが疑うような、そんな仲では決してありません。だって、深見さんは、アレが全く役に立ちませんので、そんな仲になれる訳ありませんやろ」


　女将は言い訳をする為、言い難い事をはっきりと言った。


　「本当、お父さん」

　「嘘じゃ無い。恥ずかしいけど、最近あっちの方がまるで駄目なのだ。女将とは、そう言う訳で、男と女の仲ではなく、友達として酒を飲んでいただけだ」

　「たとえ、それが本当であったとしても、不自然よ。私は、先日、お父さんが外泊した時から、おかしいと睨んでいたわ」

　
　沙穂が目に憎しみを込めて信彦に言った。



　
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