としサバ
 雫が中を見渡すと、クラスの殆どの顔がそこにあった。


 雫は葵の方をチラッと見た。

 向こうもこちらを見ている。
 カチンと視線が火花を散らした。


 葵は視線を雫から外すと、自分の席の近くに座っている、みちるとリンを招き寄せ、ヒソヒソと話をしている。


 (恐らく自分の噂をしているのだろう)


 雫はわざと3人を無視すると、窓側にある自分の席に着いた。
 外を見る。

 始業時間が迫っているせいか、広いグランドには人気は無く、寂しそうに見えた。


 午前の授業が終わり、昼休み時間になった。

 雫は全く食欲がなかった。給食には手を付けず、雫は全部残した。


 後ろのドアの近くに3人の席がある。

 雫はトイレに行くため、前と後ろのドアをチラッと眺め、前のドアに向かって歩き始めた。


 その時、3人が前のドアに、急いで近付いて来た。




 






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