としサバ
雫は出来るだけ明るく振舞うつもりで、歩の部屋のドアをノックした。
トン、トン、トン、トン。
「いいよ」
中から、明るい歩の声がした。
「ねえ、ねえ、お兄ちゃん、あれからどうなったと思う」
「どうなったの」
「あの人たち、模擬結婚式をやったのよ。驚くでしょう」
「雫と姉パンツ君のか」
「そうよ。それが、敵ながら演出が良く出来ているの。これ、見て、見て」
雫は結婚式の写真を、携帯の液晶画面で歩に見せた。
「花嫁の横にいる白髪頭はお父さんか」
歩が携帯を覗きながら言った。
「そうなのよ。お父さんが新婦を新郎に渡すわけよ。どう、凝っているでしょう。その写真がこれよ」
雫は携帯を操作して、その場面の写真を歩に見せた。
「敵もなかなかやるじゃん」
「でしょう。次はこの写真を見て。神父が結婚の言葉を聖書から読むの。夫は妻を自分の体のように愛しとか何とかを読むのよ。まいるでしょう。これも見て。新郎と神父の指輪の交換よ」
歩は熱心に写真を見て、「へえ」とか「うそー」とか、短い言葉を出しては感心をしている。
トン、トン、トン、トン。
「いいよ」
中から、明るい歩の声がした。
「ねえ、ねえ、お兄ちゃん、あれからどうなったと思う」
「どうなったの」
「あの人たち、模擬結婚式をやったのよ。驚くでしょう」
「雫と姉パンツ君のか」
「そうよ。それが、敵ながら演出が良く出来ているの。これ、見て、見て」
雫は結婚式の写真を、携帯の液晶画面で歩に見せた。
「花嫁の横にいる白髪頭はお父さんか」
歩が携帯を覗きながら言った。
「そうなのよ。お父さんが新婦を新郎に渡すわけよ。どう、凝っているでしょう。その写真がこれよ」
雫は携帯を操作して、その場面の写真を歩に見せた。
「敵もなかなかやるじゃん」
「でしょう。次はこの写真を見て。神父が結婚の言葉を聖書から読むの。夫は妻を自分の体のように愛しとか何とかを読むのよ。まいるでしょう。これも見て。新郎と神父の指輪の交換よ」
歩は熱心に写真を見て、「へえ」とか「うそー」とか、短い言葉を出しては感心をしている。