としサバ
 3人とすれ違う瞬間、雫は意識し過ぎたせいか、咳をした。


 「ゴホン、ゴホン」




 「うつさんといて」



 葵がキツイ口調で言った。


 「マスクをしているから大丈夫」


 「あんたの風邪はタチが悪いから、うつるに決まってるわ。病気になったら、どう責任取ってくれるの」

 「大丈夫よ」


 「あんたの菌は感染力が普通とはケタ違い。マスク10枚しても、へっちゃらや。うちにうつして、死なす気やろ」


 「馬鹿な事言わないで」


 「咳せんとって。こわいわ」


 みちるが口を尖がらせて言った。




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