としサバ
「これしかないのよ」
雫は保の涙を、自分のハンカチで拭いてやった。
「今野さんが死ぬなんて、絶対にいやだ」
「吉岡君、お願いだから、私の言う事を聞いて」
「・・・」
「お願い」
「わかったよ・・・聞くよ」
「吉岡君、座らない」
雫は石段に腰を掛けた。
遠くでウインドサーフィンの乗り手が海に落ちた。
乗り手は浮かび上がると、体勢の立て直しに躍起になっている。
「海はいつまで見ても飽きないね」
「うん」
雫は保の顔を覗き込んだ。
保はじっと海を眺めている。
涙は止まっていた。
雫は保の涙を、自分のハンカチで拭いてやった。
「今野さんが死ぬなんて、絶対にいやだ」
「吉岡君、お願いだから、私の言う事を聞いて」
「・・・」
「お願い」
「わかったよ・・・聞くよ」
「吉岡君、座らない」
雫は石段に腰を掛けた。
遠くでウインドサーフィンの乗り手が海に落ちた。
乗り手は浮かび上がると、体勢の立て直しに躍起になっている。
「海はいつまで見ても飽きないね」
「うん」
雫は保の顔を覗き込んだ。
保はじっと海を眺めている。
涙は止まっていた。