としサバ
 「まだ、不安はあるけど。僕は神様に今野さんを助けて下さい、と一生懸命にお願いしとくよ」


 「万が一、私が死んだら、デジカメの写真を警察やマスコミに見せて、あった事すべてを告白してね」

 「今野さんが死ぬなら、僕はやらないよ」

 「死なない。死なないったら。だから、協力してよ」

 「死なないって約束するなら協力するよ」


 雫は飛び降りの概要を保に説明し終わると、大息を付いた。


 「今野さんは怖くないの。僕なら足がガクガクと震えるけど」


 保が真顔で雫に尋ねた。


 「そりゃ、怖いよ。でも、命を賭けた抗議よ。だから、意地でも飛ぶよ」

 「今野さんはすごいや」


 保は雫を憧れの目で見詰めていた。




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