としサバ
 「家は慰謝料としてお前に渡そう。後も俺が悪いのだから、お前の提案通りにしよう。これで、話は決まりだな」

 「いいえ、勝彦と沙穂への慰謝料が残っているわ。あれだけ、信頼を裏切ったのだから、当然でしょう」

 「どうすればいいんだ」

 「あなたの取り分の内、半分を二人に慰謝料として渡して欲しいの。二人に対するお詫びの印よ」

 「と言う事は、俺の取り分は、家の金の四分の一と年金の半額だけか」


 「そう言う事ね。火遊びして火傷をすると痛い目に合うのは当たり前。大火傷をすれば、命取りにもなるのよ。あなたはそのお金を資金にして、株で稼げば、命どころか、まだまだ大儲け出来るじゃないの」


 「そう言う事か。仕方がない。お前の言う通りにするよ。後で沙穂に怒鳴り込まれるのも嫌だから」

 「じゃ、後で離婚届を送るから、サインと捺印をして、送り返して下さる」

 「分った。そうするよ」
 「俺の持ち物は、また後ほど取りに来るよ」

 「出来るだけ早くお願いね」
 「分った」


 果穂は離婚話が円満に終わり、ホッとしていた。









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