としサバ
 その時、パトカーのサイレンが遠くの方で聞こえ、それがだんだんとこちらに近付いて来た。


 雫はあるものを、今か、今かと、待っていた。

 下で網を張って飛び下りる態勢が整っても、それが来るまでは飛び下りる事は出来なかった。

 
 警察のパトカーが何台か校門付近で止まったような気配があった。

 それに、続いて、車が何台も何台も止まり出した。

 校門付近が慌しくなり出した。



 「やっと、来たな。遅いじゃないの」



 雫は下を覘きながら呟いた。


 警察官が何人か運動場に入って来た。




 

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