としサバ
40話 ワイドショー
 雫は母親の緑と共に病院の玄関に向かっていた。

 網の中に飛び降りてから、雫はすぐに救急車で病院まで運ばれた。


 あくる日の午前中まで、いろいろな検査を受け、異常がないという事で、雫は2時頃にやっと退院できる事になったのだ。


 「何度も電話したのにどうして出なかったの」
 
 緑が雫に質問をした。


 「もうお別れの言葉は、ママには言ったもの」

 「自然の美しい所に行くって言うあれが、お別れの言葉なの」
 「そうよ」

 「雫は冗談か、本気か、本当にわからないのだから。でも、何もなくって、本当に良かったわ」


 二人は玄関に着いた。表では、報道陣が二人を待ち受けていた。

 雫はそに数の多さに驚いた。


 「どこも怪我はしなかったのですか」
 「どんないじめを受けていたのですか」

 「いじめに対する学校の対応はどんなだったですか」
 「遺書にはどんな事が書かれていたのですか」


 報道陣からは、いろんな質問が飛び交った。




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