としサバ
 こんな事があるとお決まりのように、雫は歩の部屋に押し掛けた。

 「入るわよ」
 「いいよ」

 いつものように優しい歩の声が返って来た。

 「ねえ、ねえ、お兄ちゃん聞いてくれる。例の3人組から、またキツイ一発を浴びせられたの。私悔しくって」
 「また、いじめられたのか」

 「正解。教室に入ったら、もうびっくり。黒板に落書きをされたの。それも黒板いっぱいによ。何て、書いてあると思う」

 「何て書いてあったの」
 「私もう頭に来てしまったわ」

 「だから、何て書いてあったの」
 「恥ずかしくって言えないわ。関西の人って、よくやるわね」

 「早く言えったら」
 「教えて欲しい。100円くれたら教えて上げる」

 「もう、話を聞かないよ」
 「わかった。わかった。じゃ、言うね。黒板には姉パンツ、死神,熱愛中だって。週刊誌の記事じゃあるまいし。嘘くそ書いてあるのよ」



 「死神って、雫の事」



 歩が尋ねた。





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