としサバ
 「そうよ。先日大きなマスクをしてゴホン、ゴホンしてたでしょう。そしたら、うつすな、死ぬって。それから、死神よ。失礼しちゃうでしょ」

 「雫が死神か。関西人はあだ名を付ける名人だな」
 「お兄ちゃんなんか、大嫌い。人が真剣に悩んでいるのに。真面目に聞いてよ」

 「ごめん、ごめん。真面目に聞くよ。雫は姉パンツ君とは,何にも無いのだろう」

 「ある訳ないじゃないの。それだけじゃ無いのよ。姉パンツ、死神、熱愛中の左側には、黒板いっぱいに傘マークが描かれ、その中に二人の名前が書かれているのよ。信じられないでしょう」

 「それは、ひどいね」

 「ひど過ぎるわよ。私先生に言いつけてやろうかなと思った程よ」

 「先生が教室に来る頃までには、落書きは消されていると思うよ」
 「そうなのよね。だから、私も先生に言わなかったのよ」


 「やっぱり、証拠を付きつけないと、説得力が無いよね」


 「どうしたら良いと思う」


 「証拠を手に入れるしか無いかな。たとえば、携帯か、デジカメで落書きを写真に撮るとか。動画に撮るとかね」


 「携帯か、デジカメで証拠を写すのか。いいアイデアね。さすが、お兄ちゃん。だから、私お兄ちゃんが大好きなの」


 雫が歩のアイデアににんまりとした。




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