としサバ
9話 写真
 雫はパソコンのキーを叩き、さくらんぼのチャットルームにたどり着いた。

 キリマンは10番目の部屋に、すでに入室していた。


 雫はキリマンに文字で話し掛けた。


 「今日は、キリマン」
 「私の事、覚えてくれたのね」

 「ようこそ、メッキー」
 「僕はてっきり忘れられたと思っていたよ」

 「私はキリマンの事、忘れないわよ」
 「絶対にね」

 「僕だってメッキーの事、覚えているよ」
 「永遠にね」


 「あれから、何か変わった事あった」

 「別に」
 「メッキーは」


 「私だって同じよ」
 「仕事の方はどう?」
 「いい就職先見つかった」

 「大半が書類選考で不合格」
 「就職なんて出来そうにないよ」

 「それじゃ、どうするの」

 「自分でやるしかないかな」

 
 メッキーから鋭く質問されて、信彦は本音を吐露してしまった。








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