としサバ
 「先生に言い付ける為には、証拠がいるでしょう」

 雫が保の目を見て言った。


 「そうなんだ」

 「そこで、吉岡君に頼みがあるの。私が黒板の前に行っている間、皆にわからないように写真に撮って欲しいの」

 「うん」

 「そして、皆が、姉パンツ、死神、熱愛中って手拍子をしながら合唱を始めたら、それを動画で撮って欲しいの。吉岡君、どう出来そう」

 「出来ると思う」

 「じゃ、明日から学校に来る時には、デジカメを忘れないでね」
 「分かった。忘れないよ」

 「あの人たちは、きっといろいろな手を使うと思うわ。落書きとは限らないから、その時は臨機応変にね」

 「ああ、そうするよ」

 「吉岡君、私ね、いじめって、抵抗しないと駄目だと思うの。それも、徹底的に抵抗しないとね」

 「そうだね」

 「いじめられたままでいると、エスカレートするだけよ。いじめたら、どうなるか。思い知らしてやらないと、いじめは絶対に終わらない。そうは、思わない」

 「そうかもしれないな」

 
 保が頷いた。



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