としサバ

 信彦は次の言葉を吟味して、パソコンのキーを叩いた。


 「何か悩みでも持っているの?」

 「私 人間関係に苦しんでいるの」
 「職場の同僚にいじめられているのよ」


 雫は小学校の同級生からいじめを受けているとは言えないので、小学校を職場に変換した。


 「いじめか」
 「どうしてこの世の中」
 「いじめが蔓延しているのかな」


 「3人の同僚がかなりの意地悪」
 「超ムカツク。超憂鬱」
 「いっそう死んでしまおうかなんて・・・」


 「自殺願望みたいなこと言っていたけど・・・」
 「あれは本当の事だったのか」


 「キリマンはいじめられた事は?」
 「いじめられた経験は記憶にないけど」


 信彦は職場はもちろん、学校でのいじめも経験した事はなかった。
 いじめはあるにはあっただろうが、今ほど話題に上がらなかった。


 人間関係がウイルスに犯され、病巣が悪化の一途を辿っているのだ。





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