Northern part of Hiroshima story
「イタル…それが何か?」

『いずみ!お前が好きだ!
ワシと付き合えーや!!』

「え…イタル??」

「聞けよ…!入社式だよ!!

あの日お前を初めて見た瞬間

衝撃を受けたぞ。

お前が会社に入って来て すぐだよ…

惚れた。

以来

話しかけるタイミングを狙い

暫く黙ってたんだよ。

そしたらよ~?

お前から強烈に来やがったよな?

仕事中なのに 手を止めてまで

くだらねぇ事話しかけてきたお前が

すげぇ人懐っこいというか…

マジかわいかった!

随分と変わった女だけど…

お前は面白い奴なんだよな!

いい女だ!

決めた!ひとまずはコイツを

オレの隣(車の助手席)に座らせるぞ~!

話はそこからだ!

初デートでいきなり告るのも

勿論オレ的にはアリだったんだが

流石にソイツは止めたんだよ。

相手の事を考えてね。

何度かデートの『実績を積む』つったら

言い方が変だけどよ~!

新入社員の女の子だからねぇ…

ましてやお前は今まだ未成年。

悶々としてたのさ。

まずは初デートだよ

ダメ元で誘っちゃえ!!

もう…マジ
『猪突猛進・ちょとつもうしん』

そんな状態だったんだよ!

しかしさ

そんな男からのアプローチに反して

大概の女共は

『そうね~まぁ~機会があればいつか
行きたいね~』

ってあからさまに

気の無い返事する奴多いんだよ!

だから会社で会話した時お前が

『車は詳しくはないけど好き』って

言ったな?

その瞬間…今落とすしかねぇ~な!って
思ったよ。

咄嗟の判断でオレは

即あの場で

『じゃいつにする?
その日デートに行くぞ』

って

押したよな!」


もう~とにかくガンガン来るあなた…!

今で言う『マシンガントーク』って
やつか…?

…付き合え…??

…交際の申し込み?

…私を好きだった?


頭が混乱しつつ

私はイタルの目を見つめ

話を聞いてたけど…

思わずそらしてしまった。

「お前なんでそらすんだよ!?」

貴方は怒ったわ……


返事しなきゃ…!


真っ直ぐ貴方に向き直る…

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