物語はいつも 「幸せに暮らしました」 で終わるなら
「めいってさ――
好きな人いなかったの?」
「え?」
「いや、ほら、この間私の相談に乗ってくれたから
…無理にとは言わないけど」
最初会った時から
優は変わった気がする
なんとなくだけど
ちゃんと笑えるようになった…かな
花梨、それは愛…?
「あ、ご、ごめん!!
言いたくないことだってあるよね…」
「…好きな人はいたよ
2年前に
中学から付き合ってた彼氏に
浮気されて別れたのが最後
結構あたしなりに
頑張ってたんだけどなー
あたしの高校、一応進学校だから
休みもあんま無くて
会えなかったのもあるんだろーけど」
「めい…」
「「信じらんねー!!!!」」
「ふふ。あはは
なんで同じこと言うの」
「花梨の考えてることなんか分かりきってるわ(笑)」
「で。
それから好きとか告白とか信じられなくなったってわけ」
思いの入っていない言葉なんていらない
甘い言葉だって
かっこいいセリフだって
男は嫌い
嘘をつくもの
愛は嫌い
信用ならないもの―――