Secret Prince[短篇]
……確実に間違ってる。
俺は近くに梨華がいいことに、自分の下へと引き寄せる。
意外な俺の行動に、梨華の体は軽々と俺の胸の中。
「わっ…ちょ、勉強中なんだけど!」
「関係ないね。」
俺を放置なんて許されない。
梨華が自分の胸の中にいる、ということだけで顔がニヤける。
ふわっと香る、甘い香りが鼻をかすめる。
「…こっち向いて。」
「えっ…」
ピンクに染まる彼女の頬。
それは、この次が何を意味するか、分かっている表情。
くいっと顎を上に挙げ、
瞳を絡める。
…梨華が目を閉じたらOKの合図。
俺はゆっくりと顔を近づけた。
「…ふぁっ」
漏れる梨華の声に理性がぶっとびそうになる。
……ここで、目をそらされても、結局結果は変わねぇんだけど。
「ゆぅ…」
苦しそうに俺を呼ぶ声に、
なおさら唇を離したくなくなるんだ。