Secret Prince[短篇]
裕二が触れたところが熱い。
そして見つめられたところが、熱い。
「キスも、全部。…なぁ、俺だけ?」
「…っ!」
いつもより、少し色気を帯びているその声に、私は口を開けずにいた。ただ、見つめ返すだけ。それで精一杯だったんだ。
「…こんなに嵌ってんのに、離せるわけねぇだろ」
そんな私を見て、ニヤリと笑い、
私のことをグイっと引き寄せる。
「…何処にも行くな。」
い、行くわけないじゃん
ぎゅっと
裕二の背中に手を回し、
顔を押し付ける。
…ねぇ。信じてもいいかな?
裕二とは"永遠"が存在するって。
笑える?
でも…
「俺、すげー心配性なわけ。」
「え?」
「梨華が傍にいねぇと、気になって仕方ないわけ。」
「っ」
「だから…」
そう言って、私を再度
ベッドへと寝かせる。