Secret Prince[短篇]
「ちょ!それ反則じゃない?」
「…んなのお互い様だろ?」
私何もしてない!
何もしてないのに!!
そう目で訴えるように裕二を睨みつけるが、どうもそれが逆効果だったらしい。裕二はニヤリと笑い言葉を紡ぐ。
「そういうのが反則って言うんだよ。…人のこと振り回しやがって。」
「何言ってるの!?」
振り回してなんかないし
反則もしてない!
…なんて言える状態ではなく
私は見上げることしか出来なかった。
「…なぁ良いだろ?俺なりの愛情表現だと思えって。」
「なっ!」
言葉だけでは表現できない
愛しすぎて言葉が出ない
私だって、私だってそうだけど!
言葉は難しい。
「良いじゃん。お前の全部、俺の、だろ?」
「…~!」
もう恥ずかしすぎて
口を開くことすら出来ない。
あわあわと唇を震わせることしか出来なかった。
「昨日誓ったみたいに、」
そう言って私に体重をかける。
「愛、って言うやつもう一回誓おうか。」
「ばっかじゃないの!」
顔に似合わない台詞なんて
言わないでよ
たまに見せるその笑顔
ズルイよ