Secret Prince[短篇]



「ちょ!それ反則じゃない?」

「…んなのお互い様だろ?」



私何もしてない!
何もしてないのに!!


そう目で訴えるように裕二を睨みつけるが、どうもそれが逆効果だったらしい。裕二はニヤリと笑い言葉を紡ぐ。





「そういうのが反則って言うんだよ。…人のこと振り回しやがって。」


「何言ってるの!?」



振り回してなんかないし
反則もしてない!



…なんて言える状態ではなく
私は見上げることしか出来なかった。





「…なぁ良いだろ?俺なりの愛情表現だと思えって。」

「なっ!」





言葉だけでは表現できない
愛しすぎて言葉が出ない




私だって、私だってそうだけど!
言葉は難しい。



「良いじゃん。お前の全部、俺の、だろ?」

「…~!」




もう恥ずかしすぎて
口を開くことすら出来ない。


あわあわと唇を震わせることしか出来なかった。



「昨日誓ったみたいに、」








そう言って私に体重をかける。





「愛、って言うやつもう一回誓おうか。」

「ばっかじゃないの!」




顔に似合わない台詞なんて
言わないでよ


たまに見せるその笑顔
ズルイよ





< 145 / 147 >

この作品をシェア

pagetop