Secret Prince[短篇]
もうこうなったら全部が全部裕二のペース。私はただ裕二に合わさせられるだけ。…まぁ嫌いじゃないんだけど。
「…っ」
途中に見えるその余裕のない顔。
そして少し歪むその顔。
そんな顔を見れるのは私だけなんだ、と思うと逆に嬉しくなるくらい。
「ゆぅ」
「…梨華」
そして私を呼ぶその声も
私を見つめるその瞳も
全部全部、愛おしくなる。
あぁやっぱり私には裕二しかいないみたい。こんなに幸せな気持ちを教えてくれたのは全部裕二だから。
だから、
離れたくない、離したくない。
「り、か…好き。」
「ん…」
甘い囁きとともに
私は今日も夢の中に落ちていく。
裕二と一緒に。
結婚して、2日目。
再度裕二への気持ちがハッキリした。
大好き。
「…次、風呂拒否したらどうなるか、分かってるよな?」
「う"…」
分かってる。
それも貴方の愛情表現
でしょ?
「離さねぇから。」
わたしをぎゅっと抱きしめながら、囁いた貴方の顔に私は何ども恋に落ちる。その強引さにその声に。
…やっぱり
結婚って幸せかも。
私は赤くなった頬を隠しながら
小さく微笑んだ。
オワリ