Secret Prince[短篇]
机に置いていた化粧道具と鏡を鞄に投げ入れ、携帯をポケットへ。
帰って、昨日撮ったドラマでも見てたほうがまだましだわ。
「あたし、帰るから。」
「は?もう帰んのかよ」
おっ、こっち向いた。
雑誌も手から離し、テレビを消す裕二。
「だって暇なんだもん。」
「へー…暇?」
にやっと笑い立ち上がる彼。目が妖しく光ったのを私は見落とさなかった。
「な、何よ!」
「……楽しいことする?」
身長185センチの裕二は私を見下ろしながら、目を細めた。
「なっ!?」
「……はっ」
赤くなる私を馬鹿にしたように笑う。
いーっ!!
イラツクー!