Secret Prince[短篇]
「このプールは泳ぐんじゃなくて流れるのっ!」
助手席で力説する梨華を横目で流し、車を走らせる。
「もーっ!ちゃんと聞いてよ!」
「聞いてる、聞いてる」
見えてきた大きな建物。駐車場は車でいっぱいだった。
すげぇな…
「プールだあ♪」
すでに憂鬱になり始めている俺とは裏腹に、目をキラキラさせている梨華。
「早く行こーっ」
家での機嫌の悪さはいったい何処にいったやら。
「梨華、水着持った?」
「も、持ったっ///」
すぐに赤くなる梨華、おもしれー…
両手でしっかり包まれた袋。
「…すげー、楽しみ。」
「げっ…」