Secret Prince[短篇]
プールサイドで梨華を待つ。
「……遅ぇ」
人込みで酔いそうになりながら、周りの様子を垣間見る。
…男、多過ぎ。
「ゆうっ」
タオルで体を隠し、小走りで俺の所にくる梨華。
どんっ…
「は!?」
唖然とする俺。
倒れる梨華。
手を差し出す男。
「ごめんねー?大丈夫?」
いや、お前、明らかにわざとだろ。
差し出される手を睨みながら、少し早歩きで梨華のもとに向かう。
「あ、大丈夫です。」
鈍感なのか天然なのか、梨華はその男の手を取ろうとした。
「ちっ」
早歩きが駆け足になる。
「きゃっ」