Secret Prince[短篇]
…裕二、本当に電話くれるのかな?
光る気配のない電話を見つめることしかできない。
「ねむ…」
あれから3時間たっても、裕二からの連絡無し。
お子様な私はもう半分、夢の中。
「…帰ろ。」
意味もなく、裕二の家にいた私は、時計を確認して家を出る。
「あ…雨だ。」
来る時は晴れていたから、傘を持ってきていない。
よしっ!
走って駅まで行くぞ!
多少濡れても大丈夫!とにかく走ろう!
「…ばいばい」
裕二のいないマンションにてを振り、雨の中へ足を踏み出した。
「冷たっ…」