オベロンの赤い花
「オベロン?」
 
彼女はオベロンに聞きます。
 
「何ですか。」
 
オベロンは彼女の目を見つめ聞き返しました。
 
「明日もここに来る?」
 
ペセディアが言います。
 
オベロンは答えました。
 
「えぇ。いつでもここにいますよ。」
 
「じゃあ、明日も来るから又歌ってね!」
 
そう言ってペセディアは帰って行きました。
 
それからというものペセディアは毎日オベロンノ元に通いました。
 
ペセディアにとっては同い年の友達はオベロンしかいなくとても楽しい時間だったのです。
 
オベロンもまたそれは同じで彼らは次第に将来の話しをするようになっていったのです。
 
「オベロン。私、今日帰るの。だからさ、もう会えなくなるんだ。」
 
オベロンは悲しそうにお迎えが着てよかったですねと答えました。
 
すると、ペセディアは意外なことをオベロンに言ってきたのです。
 
「将来私と結婚しよう?あえなくなるのヤダもん。」
 
「ですが、私は森の妖精です。森を抜けると生きていけないんです。」
 
するとペセディアが言います。
 
「大丈夫よ。私が森の女王になるから!」
 
そこまで言われたオベロンはペセディアに聞きます。
 
「本当に約束を交わしてもよろしいのですか?」
 
ペセディアは強く答えました。
 
「うん。」
 
すると、オベロンは呪文を唱えはじめます。
 
「では契約を…、これは婚礼の約束の儀式です。」
 
森たちが、森たちが彼女らを祝福するかのようにさまざまな美しい音色を聞かせてくれます。
 
「さぁ、ペセディア。手を。」
 
オベロンが姫の手をとると二人は綺麗な音色に乗りダンスを始めました。
 
優雅で落ち着いた妖精たちのダンスを。
 
「ペセディア。これから私は大人になるために眠りに付きます。11年経ったら迎えに行きます。それまで、使者に儀式の証を届けさせますから覚えていてください。」
 
そう言うとオベロンは姫を残しどこにもいなくなっていました。
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