オベロンの赤い花
魔王の城についた王子は姫を探します。
 
「姫~。ペセディア姫!」
 
すると、歌が聞こえてきました。
お姫様の歌です。
 
王子は走りました

走って走って・・・
 
姫の歌声に近づくたび
低く重い歌声もどんどん大きくなってきます。
 
なんと魔王も歌っていたのです。
 
王女の部屋へとたどり着きました。
不気味な笑みでなにやら姫のほうを向き、ぶつぶつとつぶやいています。
 
姫と目が合った王子は黙って剣を振りかぶりました。
 
魔王は王子に気がついていません。
王子は剣に力をこめ、魔王に切りかかります。
 
「覚悟!」
 
魔王を切りつけました。
魔王は苦しさのあまり叫びます。

「ぎゃぁぁぁぁ」
 
魔王の目には王子の姿が映ります。
魔王は倒れました。
 
魔王は自分の傷を見て泣いていました。
 
「ぺ、ペセディア…約束してたのに…。そいつは駄目だ。その悪魔はわしらを滅ぼ…。」
 
魔王の懐からは真っ赤に染まったオベロンの花が一輪落ちたのです。
 
姫は涙を流し魔王に駆け寄ります。
 
「ごめんねオベロン。」
 
そして魔王が息を引き取るとうっすらと笑みを浮かべたのです。
 
王子は姫を救い出し国へと帰りました。
 
そして王子はまた英雄として名を連ねたのです。
 
それから彼らは幸せに暮らしましたとさ。
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