Apasionado!2~俺様社長様の甘い誘惑~
就職してない理由も聞いた。
何とも不運としかいいようがないが、あの会社は最近までは安泰企業で人材も優秀な奴が多い。
ただ、同族経営で最近代替わりした社長に問題があったようで、何とか持ち直せるかと思ってたんだが…
だけどコイツがうちに入ってくれるなら不運もこっちには運があった。
俺の一声で高藤の入社が決まった。
入社して、それとなく見てるが、浮わついた雰囲気は一切ない。
体育会系のようだからちょっとくらいなら大丈夫だろう。
コイツなら…アイツの秘書が務まるかも知れん。
後は、じっくりと仕込んで…
あっ、社の連中に箝口令を出さないと。
高藤には社長の真の姿をばらさないようにと。
生真面目で責任感が強そうだから、一旦引き受けたら簡単には辞めないだろう。
それからは一ヶ月づつ各部署を廻らせ、秘書としての特訓を始めた。
本人は全く気づいていないが!
本人以外の全員がコイツが社長の秘書になると知ってる。
これが他の会社なら、先輩の女子社員から文句も出るだろうが、うちに関しては一切文句はない。
むしろ、やっと決まった秘書を歓迎ってか、可哀想と同情をしてる。
はぁ~ホントにどんだけみんなに迷惑かける社長様だよ。