Apasionado!2~俺様社長様の甘い誘惑~
土曜日だから混んでるかと思ったが、案外空いていて座れた。
「久しぶりに電車もいいですね」
俺達の周りに乗客はあまりいない。
俺の腕を掴んで
「ヘヘヘ…」
また笑ってる。
「どうした?」
声を潜めて
「カッコイイ恭介さんを見せびらかしてるみたいで…ヘヘヘ…」
嬉しそうに笑ってる。
笑い上戸だったか?
俺も声を潜め
「お前なぁ、酔ってるとはいえ、そんな恥ずかしいことを云うな」
「恥ずかしいことって…」
「俺をカッコイイとか…」
「だって真実ですもん」
「……」
次の駅に停まり、乗客が増える。
暫くは静かにしていたが…
急に俯いて、俺の肩に顔を隠す。
「ん、どうした?具合悪いか?」
違うと云うように首を振ってる。
「どうしたんだ?」
「……」
「ん?」
「女の人達が…恭介さんを見てます」
「……」
はぁ?
「恭介さんのこと…カッコイイから見てます」
さっきは見せびらかすとか云ってなかったか?
「恭介さんを見て…そ、それから横にいる私を見て…何で?って顔してます」
「……」
また、自分は俺の横にいてはいけないと思ってる。
てか、酔っ払うと超ネガティブになるんだな。
はぁ~