Apasionado!2~俺様社長様の甘い誘惑~
「さっ、泣き止んで…藤倉さんの所に戻りなさいな。心配して捜し回ってるわよ」
「は、はい。す、すみませんでした」
「ううん。貴女を不安にさせたのは私だもの。ごめんね」
「い、いえ。貴女には関係ないです」
私が浅はかな馬鹿です。
「フフフ…貴女、ホントに可愛いわね」
「か、可愛くないです」
な、何を云うんですか!
「フフフ…あ、私の大事な人ね」
「はい」
「さっきピアノを弾いてた人」
「えっ?」
「結婚してもうすぐ一年」
「結婚」
「そうよ。私もヤキモチ妬きなの。ピアニストってモテるから結婚したの。ピアニストと歌手だからいつも一緒にいられるでしょ」
私にウインク
「藤倉さんと幸せになりなさいよ」
「は、はい。ありがとうございます」
「私も負けずに幸せになるから」
「はい」
「じゃあ、ね」
「はい、さようなら」
部屋を出て―
恭介さんの元へ…
恭介さん…
ごめんなさい。
会いたいよ。