Apasionado!2~俺様社長様の甘い誘惑~
仕事がやっと終わって
「もう、いいぞ」
「はい、お疲れ様でした」
「ん」
「あ、社長」
「ん?」
「本当に『子猿』は卒業ですか?」
一応聞いておかなくちゃ。
「ん、何だ?卒業したくなかったのか?子猿のままがよかったか?」
「い、いいえ。卒業出来て嬉しいです。ありがとうございました」
「ん。子猿じゃなくなったんだからな。今以上に責任持ってやれ」
「は、はい」
「フッ」
社長が少し笑った。
いつもの皮肉混じりの笑いや、苛める時の笑いじゃない正真正銘の笑いだ。
「ん?どうした、ぼぉ~として」
「えっ?あ、失礼します」
慌てて部屋を出る。
やっぱりイケメンの笑い顔って綺麗だな。
例えそれがいけすかない社長様でも。
フフフ…
明日からまた頑張ろう。
せっかく人間にしてもらったんだもん。
社長をがっかりさせたくないし。
でも…お前呼ばわりはどうなのよ。
【高藤志織 side 終】