Apasionado!2~俺様社長様の甘い誘惑~
「…い、おい志織って」
へっ?
振り返ると…恭介さん。
「どうかしたんですか?」
「それは俺の台詞だろ。何洗濯物をくしゃくしゃにしてんだ?」
「えっ?」
手元を見ると…
あら!
恭介さんのTシャツが!
しわくちゃ!
「ハ、ハハハ…」
笑ってごまかそ。
「どうした?」
「どうもしてませんよ」
私の顔をじぃっと見て
「……」
い、いや、そんなに見つめられても、こればかりは云えないよ。
手早く洗濯物を畳み
「夕食の支度しますね」
「……」
恭介さんの側を離れようと
「奥様」
ドキッ!
恭介さんに『奥様』と云われると何かあるのよ。
それに今は私がちょっと変な事を考えてたから不利だ。
「ん?何隠してる」
「隠すなんて…人聞きの悪い。何も考えてませんよ」
「ホントに?」
「は、はい。考えてたとしたら…恭介さんのことです」
「ん?」
「だから…恭介さん2月から一人で大丈夫かなって」
それくらい云ってもいいよね、嘘じゃないし。
「ま、何とかなるだろ。結婚するまで長年一人暮らしだったんだし」
それが問題なんじゃない。