私の恋愛条件


飛んできたボールは、光舞の膝でバウンドされていた。



『よそ見してるからだろ?』


「してない!」



この出来事確か…──


入学式終わったくらいにあった。


ちょっと懐かしい。



『ま、珠蘭は…』



言いかけて光舞は、そのままふっと笑った。


空を見上げ、汗をふき爽やかにほほえんだ。



「な、何よ?」

『別に何も?』

「気になるじゃん」



珠蘭は…何よ?


当てはまる言葉は──


“バカだからしょうがないか”

とか

“周り見なさすぎ”

しか出てこないし。


悪口ばっかり。


これって悪口?



『自分が一番わかってる癖に』



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