私の恋愛条件
─光舞Side─
第一試合にあたる高校は、あいつがいる所だ。
試合前練習にちょっと相手を見た。
ちらりと目が合ったのは、ライバルの仁だ。
そしてゆっくり近づいて来た。
『よっ♪
で、結局入ったんだ?
俺に勝てないサッカー部に』
仁はサッカーボールを片手に持ち、ニヤリと笑ってきた。
『相変わらずうぜーやつだな』
俺は小声でそう言った。
弱いやつ程、そんな事を言う。
この試合絶対、いや必ず勝ってやる。
『はぁ?』
『仁、お前に絶対勝ってやる。
こいつでな…』
俺はサッカーボールを指でクルクル回して見せた。
『言うようになったな?
ま、勝つのは俺だけど』
『その言葉、そのまま返すぜ』
俺はその場を後にした。