私の恋愛条件
─鈴空side─
俺は珠蘭を連れて家に入った。
が、泣き顔を見られたくないのかずっと俺にくっついている。
くっつき虫みたいだ。
『珠蘭、大丈夫か?』
「ひくっひくっ」
さっきから泣いてばっかりだ。
こいつこんなに泣き虫だったか?
珠蘭は強いし泣かないものだと思ってたが。
とりあえずソファーに座り、珠蘭の髪を撫でた。
さらさらで、甘いシャンプーの香り…─
もうすぐ、今みたいに優しく髪を撫でる事もなくなるのか。
全部、光舞にまかせるのか。
光舞大丈夫かな?
『珠蘭?』
呼んでも返事がない。
こいつ、もしかして…
俺は珠蘭の顔を覗いた。
『やっぱり』
寝てるし───。
泣き疲れたのか。
俺はそっと自分の上着をかけた。
『いい夢見ろよ?』
さっ、珠蘭が起きるまで、どーすっかなぁ…♪
─鈴空side─ E N D