私の恋愛条件
すると光舞は『はぁ──』と息を吐いた。
『その顔は、言わなきゃならないみたいだな?』
「うん」
『ちょっと包丁で指切っただけ』
「嘘つけ!」
『嘘じゃねぇし!』
普通2ヵ所も指切る?
切っても1ヵ所じゃない?
どんだけ...
「不器用」
なのよ。
『ふっ』
光舞は私を見て笑い、グランドへと去っていった。
なんなのよ!
毎回毎回同じようにニヤリと笑っちゃって…
あきるくらい見てるはずなのに、なぜだか見るたびこっちが笑顔になる。
笑顔って不思議だね。
「ふふっ」
私はその場で笑い、スキップした。