好きじゃない。


 私が理解できず、クエスチョンマークを浮かべていると、明希はわざとらしく溜め息を吐いた。


 「そんなに宮城が好き? あんなに態度悪い嫌なやつなのに。」

 明希さん明希さん。
 宮城君の悪口は言わないでくださいな。

 「だって宮城君、本当は優しいんだよ?」

 ……普段ものすごく冷たいけど。


 私がプリント落としちゃったときだって、拾うの手伝ってくれたのは宮城君、ただ一人だった。
 「気を付けなよ。」って、普段笑わないのに少しだけ笑ってくれた。


 「だから本当はいい人なんだよ、宮城君は。」

 うん、本当なんだから。
 普段冷たいのは、きっと訳があるんだよ。


 そう思ってるんだもん。



< 2 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop