好きじゃない。
私が理解できず、クエスチョンマークを浮かべていると、明希はわざとらしく溜め息を吐いた。
「そんなに宮城が好き? あんなに態度悪い嫌なやつなのに。」
明希さん明希さん。
宮城君の悪口は言わないでくださいな。
「だって宮城君、本当は優しいんだよ?」
……普段ものすごく冷たいけど。
私がプリント落としちゃったときだって、拾うの手伝ってくれたのは宮城君、ただ一人だった。
「気を付けなよ。」って、普段笑わないのに少しだけ笑ってくれた。
「だから本当はいい人なんだよ、宮城君は。」
うん、本当なんだから。
普段冷たいのは、きっと訳があるんだよ。
そう思ってるんだもん。