小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―

「お前さ、それでも一様、
 霊能力者なんだろ?」

「はっ!な、なんでそれを!!」

「だから、俺は透視者だって
 言っただろうが!」

「あぁ、そうか・・・」

【お前らも来い・・・
 一緒に黄泉の世界へ・・・
 花子と来い!】

「んなもん、お断りだよ、
 おい、チビ豆」

「何・・・?」

「俺はあいつの動きを透視する、
 お前は指示通りに動いて、
 向こうの世界へ送り返せ」

「で、でもっ・・・」

「俺を信じろ、自分を信じろ」

彼はいきなり、

真っ直ぐな瞳で私に投げかけた

時間的にも体力的にも、

花子さんに立ち向かっていく力は

もう私には残っていない

「わかった・・・あんたを信じる」

「いい子だ」

彼は私の頭をポンポンと撫でてくれた

・・・なによ、子ども扱いしちゃって

「おし、来るぞ」

デカ男は地面に手を置き、

目を閉じている

きっと花子さんの行動を

読み取っているのだろう

「右斜め上だ」

「了解っ」

【うおぉぉおおおお!】

ビンゴ!

彼の言ったとおり、

花子さんは右斜め上に向かって

私たちを攻撃してきた

すごい・・・

「これがサイコメトラー・・・」

「おい、ぼーっとしてんじゃねぇよ、
 早く封印しちまえ」

「うんっ」

【花子は・・・花子は・・・】

花子さんが

ブツブツ言っているのをよそに、

私は合掌をし、詠唱を唱える

「我が名は封印霊能者なり!
 現世界を汚し、
 あの世へ連れて行こうとする
 邪まな邪念を持つ者!
 黄泉の世界へと戻りたまえ!
 我が汝をここへ、封印する!」

私が詠唱を唱えると

私の体内、および心臓が中心となり

脈を打ち始める

すると私の胸の部分は

黒い穴へと変化し、

渦を作り、花子さんを吸い込む

「悪しき力よ、ここから立ち去れ!!」

私が最後の言葉を口にすると

ブラックホールのような渦へと

花子さんを呼び寄せた

【ぐっ、うわぁぁああ!?
 ぎゃぁぁぁぁあああああああ!】

花子さんは悲鳴を上げながら、

体を捻じ曲げ

グルグルと私の中にある黒い渦に

引き込まれていった

【一ちゃん・・・一ちゃぁん・・・】

そう言いながら、

黄泉の世界へと戻ってったのだった
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