小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―

「みんな、お前を信じてっからだよ」

デカ男が優しく私を見つめてる

みんな・・・

「とりあえず、
 色葉と鈴可は奴を止めろ」

仏頂面くんが命令を下す

「えーどうやってー?
 私達、精神感応系だしー」

「おい、色葉、
 お前、テレパシーしか
 超能力使えなかったっか?」

「えーだって、疲れるんだもん!」

「使えるもんは、使えるだけ使え!」

「はいはい」

仏頂面くんとの会話をした色葉ちゃんは

目をつぶって、耳を塞いだ

そこで、鈴可ちゃんが

「色葉、アレよ、
 倉庫の中の・・・綱引きの縄・・・」

「あぁ、アレに倉子の意思が
 こびり付いてやがる」

すかさず、デカ男も透視をした

「オッケイ、
 まっかせなさぁぁあああい、
 うりゃぁあああ!」

色葉ちゃんが叫ぶと同時に

頭上から綱引きの縄が落ちてきた

「ひゃあ!・・・何これ、
 すごい・・・・もしかし色葉ちゃん、
 テレポートも使えるんだ!?」

「そ、その通り・・・
 でもすんげー疲れるのよね・・・
 色葉死亡・・・ちーん」

「おい、お前、何やってるんだ」

仏頂面君が色葉ちゃんを抱えて、

その場から遠ざけた

そして、色葉ちゃんが

テレポートで持ってきた

綱引きの縄

グルグルに巻いた縄がそこに置かれていた

すると、

それを見つけた倉子さんが一遍

【縄・・・綱・・・お母さん・・・】

なぞの言葉を放ち、

そこへしゃがみ込んでしまった

「・・・レベルが小弱になった!」

倉子さんの意思変化に伴って、

邪気が一気に弱くなったのが確認できた

「おっしゃ、チビ豆、今だ、浄化しちまえ!」

デカ男が私の頭をぺシーンと叩いた

い、言われなくても、

やりますよーだっ!!

私は胸の前で合掌をして、

詠唱を唱えた

「我が名は封印霊能者なり!
 現世界を汚し、
 あの世へ連れて行こうとする
 邪まな邪念を持つ者!
 黄泉の世界へと戻りたまえ!
 我が汝をここへ、封印する!」

【うわぁぁあああああ
 ・・・・ふ、ざけんなあ】

「悪しきパワーよ!ここから立ち去れ!」

悲鳴を上げる倉子さんは

私の胸に開いた、

黒い渦に巻き込まれていった
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