小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―

「すごい、なんてパワーだ」

仏頂面くんが褒めてくれるも、

当の私は

「ふはっ!・・・・」

その場に力なく

倒れこんだのだった

「大丈夫?」

鈴可ちゃんが

私に近寄ってきてくれた

「だ、だいじょうぶい・・・!」

何とか答えた私の声は、

自分でも分かる位に震えてか細かった

「おいっしょ、お前、やっぱすげーや」

「うわあっ、お、おろしてよ!」

「やーだ」

「何でそこで子供ぶんのさあ!」

私をお姫様抱っこした、デカ男

その顔には満面の笑顔がこぼれていた

そして、周りに邪気や瘴気が

溢れないようにしていたチャラ男くんも

こっちの事態は把握したのか

戻ってきた

「よお、今の、
 小豆ちゃんがやったのか?
 すげーなあ」

「ええ、小清水さんよ」

「へー、ヤバイなお前!」

チャラ男君が

私の頭をぽんぽんとしてくれた

するとデカ男は体ごと、

ぷいっとそっぽを向いた

「どうしたの?」

私が尋ねると

「今のお前は俺のだから」

と、明日の方向を向いたまま

私に呟いた

・・・なーに、格好つけてんだか

「あ、そうだ」

チャラ男くんが喋りだす

「俺、パイロキネスで
 バリア張ってたのはいいんだけど、
 完全にはガード出来なくってよ」

「役立たずね」

鈴可ちゃんが見下した目で、

茶々を入れる

「うっせーよ!・・・でさ、
 ちょっと邪気がまだこの辺、
 うろついてるんだよな」

確かに辺りを見渡すと

薄黒い靄が一面に漂っていた

「このまんまだったら、
 また悪霊が邪気につられて
 出てきちまうんじゃないか?」

「そうね、またそうなったら困っちゃうわ」

仏頂面くんが

色葉ちゃんをおんぶしたまま、

提案を出す

「何とかして、
 浄化出来ればいいんだが・・・・」

「でも私たちには、
 そんな超能力はないわ、どうするの?」

鈴可ちゃんが逆に質す

一気に考え込むムードになってしまった・・・

みんなは確かに、

いろんな力を持っててすごい

だから、私も
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