小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―
・・・せ
「切腹!?」
「ちげーよ!!接吻だ!!」
え、何が違うの!?
「はぁー・・・あんな、
お前、どんだけ説明すりゃーわかるわけ?」
「そ、そんな事言われても・・・」
接吻って・・・え、接吻・・・
「接吻!?」
自分の中でピンと来た
「辞書!辞書で調べよう!!」
そうだよ、
わかんなかったら調べればいいんだ!
そしたらアイツも・・・
「バーカ、んな事しなくても、
俺がわからせてやるよ?」
「え、説明してくれるの?」
「ちげーよ、身をもって体験させてやるよ」
「え、体験、できるの?」
「ああ、出来るぜ?よーく目開いて見てな?」
「わかった・・・!」
私は言われるがままに、
奴の目をじーっと見つめた
奴も真っ直ぐな瞳で私を見ていた
静かな空気がゆったりと
保健室を流れている
私と彼との間にはまるで、
時が止まったかのように
静かでやけに心臓の音が早まった
そして、互いの顔が近くなっていく
吐息が顔に当たる近距離で
私は物凄く緊張した
え・・・何・・・何なの!?
くすぐったくて、甘酸っぱくて・・・
体験したこともないような、
燻ったさだった
思わず目をギューッと閉じた
すると鼻に何かが当たった
目を開けると目の前に
大きな瞳がコチラを覗いていた
「何?ビックリした??」
からかい口で私を罵る
「ビ、ビックリなんか・・・して・・・っ」
ドクンと飛び上がる心臓
何、このうごめしい気持ちは・・・何・・・
後、数センチで顔が全部密着してしまいそう・・・
そんな近距離で奴は私をまたからかう
「キスの意味もわかんねーとか、
どんだけガキなんだよなー、お前」
「へ・・・?」
「豆太は豆太だなー」
豆太・・・私の愛称・・・
奴が・・・大ちゃんが付けてくれた
私のニックネーム
「お、やーっとツンデレがデレったなー?」
「な、何さ、ツンデレって・・・」
「お前の事だよ、俺にだけ、やけにツンツンしやがって」
「そんな事・・・ないもんっ!!」
「ウソツケー!でもいーや、豆太が俺の事、
奴ーとか彼ーとか言ってたけど、
ちゃんと豆太だけの愛称言ってくれたかんなー」
・・・卑怯だ、
大ちゃんは人の心の声が聞けるから・・・