小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―
大地side
青白い顔、額にジワジワ流れる汗、荒い息
何かおかしい
俺は直感でそう思った
「何があった?」
自分でも恐ろしいくらいドスの効いた声でチビ太に問う
「何も・・・ないよ」
け、また心にもない事喋りやがって
ま、聞かなくても聞こえちまう
触れてるからな
青白い肌とは対照的に充血気味の潤んだ瞳でチビ太は俺を見る
ああ、もう意味わかんねー
俺はチビ太の体を自分の体へ引き込ませた
後ろ向きのチビ太が俺の胸へと倒れこむ
「答えーろー」
と言いつつも、チビ太の心を探った
・・・見えてきたのは一人の男
後、同じクラスの早川と陽菜・・・
男の前を通り過ぎる3人をよそに、
男は笑みを浮かべていた
・・・なんだコイツ
「オイ、この男、誰だよ?」
「・・・男?」
思わず聞いてみる
でも帰ってきた返事はしらばっくれた
「お前なぁ・・・」
俺は目を瞑って意識をより集中させて
チビ豆の心の中を探ってみる
コレはサイコメトリーの特権
相手のより意識深くまで読み取り
何を感じ何を考えているのかを探るわけだ
・・・チビ太が見た男の顔・・・
コレは・・・・
「教頭か?」
お世辞にはハゲじゃねーとは言えねー頭に
やせ細った体
んで・・・・
俺が見るからに何か雰囲気みたいなものが違う感じがする
「・・・どういう事だ?」
思わず尋ねる
「・・・わかんない、
でもすごく気持ち悪い・・・」
確かに・・・異様な感じするな・・・
ふと学校に目をやる
「・・・黒い靄」
立ち込める霧が以上に
黒がかっているのがわかった
「・・・大ちゃん、見えるんだ?」
「ああ、まーな、
幽霊とかは一様、俺にも見えるぜ」
お前程、霊力もってるわけじゃねーけど、
見えるのは見える
まーこれも考えてみりゃ能力の一種だよなー
「・・・私だけじゃなかったんだ、
何か嬉しい」
「は?」
いきなりの発言に少しビビった
つか素直になった・・・?
「幽霊、見える人少ないから、
だから、同じ人がいて嬉しい」
はーん、コイツ・・・
「お前、可愛いな」
「・・・へ?」
思わず発してしまった・・・
でも素直にそう思った
・・・何でかは知らねーけど
でも・・・守ってあげたくなる、
そんなちょっと変わった心情が
俺の中に芽生えた