オレらは青春爆走中【完】
『…松田…』
「な、なんだよ」
真剣な表情のまま三田村が、オレを見る。
『…オレ…もしかしたら…隼人が悩んでいる原因わかったか……ぶはっ!!』
ドカッ!!
鈍い音が響いた。
どうやら、相手チームが蹴ったボールが三田村の顔面に直撃したらしい。
……本当に残念な奴だよ…せっかくのシリアスムード台無しだよ…三田村…
ゴールの前で倒れている三田村に哀れみの視線を向けたオレ。
『だ、大丈夫か〜?三田村!?』
そして、伸吾ちゃんに、抱き抱えられ…三田村はグランドを去っていった…。
『………松田…三田村って…』
「言うな…言わないでいてやろうぜ…」
何かを言い掛けた英介の肩に、ポンッと手をおく。
『…そうだな』
英介は、そう呟きながら、三田村が去っていった方向をいつまでも見続けていた。