オレらは青春爆走中【完】
唖然とした顔で説教をする三田村を見る。
その隣の松田は、意外そうな顔で三田村を見ていた。
…なに…コイツら……ぷっ…
説教をされながらも心の中では、爆笑する俺。
何いきなり説教??あって、10分の相手に説教するか??マジ、ウケルんだけど……くくっ。
今思うと、俺は、この時ちょっと嬉しかったんだ。
母さんが、死んでから俺をまともに叱ってくれる人なんていなかったから。
でも、コイツらと一緒なら自分を変えられる気がした。
…友達ね…。久しぶりに作るのも悪くないかもな…。
――…
だから、俺が江山を殴ろうとする松田を止めたのは、松田に俺のために傷ついてほしくなかったんだと思う。
アイツのあんな辛そうな顔は、はじめて見た。
そして、
また鈴木とも話せるようになった。
鈴木は、中学の時に…たぶん、俺のほうから避けてしまった相手…。
中学の時に一番仲がよかった。
だから、嫌われたくなかったんだ。
どうせ、嫌がられるなら俺のほうから距離をおこうと思った。