オレらは青春爆走中【完】
5*三田村の初恋!?
*三田村の初恋!?
その日は、あの合宿から約2ヶ月が過ぎ、そろそろ期末テストに突入しそうなそんな時期だった。
「おっはよ〜」
『はよっ』
『…おはよ』
オレが教室に飛び込むといつものメンバー三田村、藤条、英介が挨拶を返してくれる。
しかし、そこでオレは、違和感を感じた。
「あ…れ?三田村は??」
そう、いつもなら一番元気でなおかつ、一番うるさい三田村の声が聞こえてこなかったのだ。
『あぁ、三田村ならそこ。』
オレの疑問に英介が答える。
なんだ、いるんじゃん。ったく、挨拶ぐらいしろよな…。
そう思いながら三田村の席を見たオレは……固まった。
なぜかって……だって、あの三田村が……勉強してるんだ。
確かにもうすぐ、期末テストがある。
けど、オレは、小学生から三田村とつるんできたが、コイツがテスト前に勉強する姿なんて見たことがない。
てか、どちらかというと、一夜漬けタイプの男なのだ。
その三田村が勉強してるなんて…
「お、おい…三田村…どうしたんだよ?頭でも打ったんか??」
オレの心配をよそに、机にかじりつくように一生懸命に勉強する三田村………ある意味ホラーだ。
『…悪いけど…今、集中してるから、話ならあとにしてくれ』
…なんか…おかしい…。てか、怪しい…。三田村の口からこんな真面目発言が飛び出すわけがない。
オレは、訝しげにガリガリと勉強する三田村を眺めた。
『…三田村、俺が学校きた時は、もうこんな感じだったぜ?』
少し離れた所で様子を伺っていた藤条がオレに教えてくれた。
『…オレが来たときもあんなんだった』
英介も証言をする。